WAVE-NITTO 1/20 陸戦ガンス

WAVE 1/20 陸戦GANS

  旧NITTOのSF3DキットをWAVEがリバイバルしたキット。月面用ルナガンスとの差別化から陸戦ガンスと呼称される無人兵器。出す度に大きなお友達がその財力でカートン買いしたりするので直ぐに市場から消え、暫くプレ値で売買されたかと思うと突然再販という名のガス抜きが行われるも、また大きなお友達が同じ行動を取って市場からスッと消えるという実にマシーネンらしい売れ方をする謎キットがコレ。クレーテもその傾向があるよね。

 しかし、その内容と言えば、昔のNITTOの金型なので組み立てはちょっと大変。

 また、筐体そのものもデカいので、人型のAFSやPKAの様に次々作って塗装でエンジョイって訳にはいかない筈。そもそも置き場所に苦労する。

 まぁ、フリークの中には、もはやインスト見なくても流れ作業でアッちゅう間に完成なんて猛者も居ますが、普通はそうはイカンよね。

 私はエンジョイ勢なので、今回も本体は素組みブラッシュアップの方向で。ただ、このガンスの頭というか、元はノイスポッターの頭なワケですが、この頭の目玉部分には、今の時代ならムギ球ではなく砲弾型LEDを仕込んで下さいと言わんばかりのクリアパーツがLEDマウント(当時のことを思えばムギ球マウント?)付て゛用意されてるので、今回はLED仕込んで目が光るようにします。

 LEDも2個使って、1個は直で目を光らせるための赤玉、もう1個は目の左脇の3箇所の穴に1mm~0.5mmのファイバーを仕込んで光らすことにしました。なので、組み立て時には頭部にLEDを仕込むだけではなく、首から胴体に繋がる配管をそのままLEDの配線として使用し、足下まで線を通して外部電源で点灯するようにしました。やりようによっては内部に仕込むことも出来ますが、USBやACアダプタで光らすなら外部の方が都合が良い。

 こうした事情から、特に頭部パーツは表裏共にガイアの黒サフを入念に塗って、合わせ目消しもLEDを点灯させつつ確認しながら光漏れ対策をしています。また、クリアパーツは真ん中のLEDで光らせる目玉の部分はマスキングしておき、脇の光ファイバーで光らす部分は最後にファイバーをカットして光らすので若干飛び出した状態で固定しておきました。

 このキットに限らず、旧NITTOの金型品は、総じて初登場時から合わせ目消しがタイヘンでしたが、当然その辺りは今以て健在です。当時と変わらん感じですから、むしろ、こんだけ時を経てる割には随分マシなのかも。

製作そのものは素組みですが、元のNITTO版クレーテ+ノイスポッターと殆ど同じなので、苦労するところも同じです。今時の人に取っつきが悪そうなのは、接着位置が曖昧な上にイモ付け指示の小物パーツ群ですかね。イモ付けと言っても、装着ポイントを手探りしていけば、付く場所にしか付かないようになっとるんだけど、最近のパチパチッとパズルのように組み上がるのとはワケが違うので、そこらは取っつき悪いかも。

 あくまで私見ですが、基本的にマシーネンのキット、なかでもこのガンスみたいに旧NITTO金型のは、バラバラに塗って最後に組み立てってのは絶対に止めといた方がイイっすね。イモ付けや強制貼り合わせなど、所謂仮組みが不可能なパーツが多くて、接着強度も必要な箇所が多いから、塗装前にほぼほぼ組んでプラ同士をガッツリ接着してから塗装しないt地獄が待ってるかと。AFV的手法でのアプローチが最適解かと思います。

 それでも塗装の都合上、両サイドのランチャーだけは最後に組み付けた方がイイので、そこらを踏まえた上でともかくも、インスト通りの工程で組み上げて行きます。

 頭部に仕込んだLEDの配線は、キット同梱のビニールコードってのが導通芯線になってて、一部穴開けが必要ですが、元から頭から爪先までこのコードを通すことになってるインスト指示なので、それをそのまま使う事にしました。クレーテで電飾する場合もこのルート使うよね。

 胴体から脚への配線だけは、キット指示だとビニールコードを分断して使用するように指示されてますが、これを分断せずにキットパーツに穴を開けたりWAVEのスプリングを被せて不自然にならない様に追加工作し爪先の裏まで通しておきました。

 この電飾用工作以外はキット素組みです。両足のダンパースプリングは、一体パーツでは無く同梱の可動式ダンパーを使用。可動式と言っても、そもそも可動域が非常に狭いキットなのであまり見た目以外には意味は有りません。

 記憶違いかも知れませんが、NITTOのクレーテのキットって、脚が内股になる問題が有りませんでしたっけ?

本キットでは股関節部分に両足が外向きにシフトされるように補助パーツが付いてるんだけど、これ、クレーテには無かったように思いますが、クレーテのキットはシュリンク未開封なので確認出来ないから勘違いかも知れませんけど。

 本塗装前に、全身をタミヤの瓶入りプラサフで荒らしてます。溶きパテほど粒子感は無いけど鋳鉄感を出すには充分です。下に黒サフを吹いてるので、プラサフを刷毛で置くように塗らないと黒サフが溶けてグチャるので注意。

基本塗装は、RLMグレーバイオレットをベースに適当なグレーとグリーンを調色して好みの色合いに。

 英国空軍ぽい緑とグレーの組み合わせは最初から決めてたんだけど、彩度差があるので、調色に同じ色を用いて差を緩和。この後筆で色々加えるので、基本塗装はエアブラシ。

今回は、ヴィネットと言うよりサイズ的には最早ジオラマ風の台座を作ることにした。

 フィルタリングやウェザリングは、情景との兼ね合いが出てくるので、ガンス本体の作業を一旦置いてベースの作成。

本職の人は絵コンテから構図を決めたりするらしいけど、オッサンは脳内で構図っぽいものはジックリ考えるけど製作そのものは行き当たりばったり。

構図は別趣味の写真と同じと思ってて、対角線構図とか三分割四分割構図辺りの決め方と同じ。

ベースのサイズよりも大きな情景を想定して、そこからベース内に構図取って切り取る感じですね。

 真冬の時期のベースキャンプを場面設定して、当初はガッツリ雪を降らせて寒い情景にするつもりでガンスも冬期迷彩を施そうと、近くのガンプラ屋でタミヤアクリルのフラットホワイトまで買って用意したんだけど、ガンプラやと同じショッピングモールに在るクラフトショップで1/20位だと実にイイ感じの造花が投げ売りされてて、コレ使って木の枝に蕾を付ける事にした。

なので時期も真冬から雪解け時期に変更。こういうところが行き当たりばったりなわけです。

今回ベースには100均の木製写真フレームを利用し、端材で下駄を履かせ、ベースの上にコルク粘土を敷き詰めてみた。

 スタイロフォームを使えば良いんだろうけど、生憎地元では畳1枚サイズしか売ってないので、持って帰るのがスゲェタイヘンだし、保管場所にも困るので、こうした粘土の方が使い勝手が良いのです。スチレンボードは単なる土作るにはコスパ悪いしね。

 木は1/20サイズなので、クラフトショップで買った造花用の紙巻き針金を丸っと一束捻り上げて骨格を作り、それにモデリングペーストを塗り込んで製作。ベースからはみ出してもオカマイ無しに枝を広げて作り、ベースに埋めてからはみ出してる部分を散髪。太めの針金使ったせいで、この散髪にはサンダービットで火花散らしながらカットするハメになった。散髪後に、先述の手芸店で入手した造花を植えていきました。

 ベースキャンプ設定なので、フェンスも製作。参照したのは横須賀や沖縄の米軍キャンプのフェンス。

コレを作った会社のHPに寸法図と画像があって、セキュリティ的にイイのか?とツッコミながら参照。

ただ、金網部分は、地元のホムセンだとエキスパンドメタルが手に入らず、通販だと切り売りしてくれるところも無く仕方ないのでアルミのメッシュを買って代用。

フェンスを隔てて、フェンスの外は手つかずの林で、フェンスの内側はシュトラールの軍用車両で荒れた地面にし、コントラストを付けてみることに。コルク粘土の上にガンスを配置して足を乗せる部分にマスキング。

足跡と他の車両が通った轍を粘土に加えてから、タミヤの土ダークブラウンのテクスチャーペイントを塗って、その上から茶こしで色んなブラウン系のヌーベルパステルを撒いてます。

 更にフェンスの内側に撒いたパステルは、テクスチャーペイントにネッチョリ塗り込んで、フェンス外の手つかずの土面と風合いを変えてみた。

土面が出来たら、庭で拾った砂利や小石を適当に撒いて、タミヤのテクスチャーペイントの草カーキと、ジオラマ素材のスタティックグラス、グリーンスタッフの枯れ葉素材などを塗ったり撒いたりし、更に今や古典技法と思われる麻紐をバラして適当に植え込んでみたりしました。

最後に、タミヤのテクスチャーペイントの粉雪と雪、それから雪用素材の大理石の粉等で残雪を加えます。

植えたり撒いたりした雑草の上から、雪素材をマットメディウムでペースト状にして流し込み、乾燥すると痩せるので何度か重ねて、最後にグロスポリマーメディウムを混ぜたものを流したら、イイ感じの残雪感が出ました。

 フェンス外は自然に溶けてきた感じの雪に、フェンス内は踏み荒らされてグチャグチャになった感じにするため、更にクレオスのウェザリングペーストのマッドブラウンや、油彩のローアンバーやバーントアンバーで湿った泥と雪をグチャグチャにしとります。

この際、湿った泥をウェザリングペースとのクリア-を使って表現してみたんだけど、このウェザリングペースとには同じシリーズのクリアーは必須ですな。これが有ると無いとで使い勝手の幅が全然異なる。染み出した水みたいな表現艶可能になります。

 で、店で一番見つからないのがこのクリアー。偶々仕事で出張った出張先の香川県で売ってたよ。高松にマツヤっていう卸問屋を兼ねたプラモ屋がありましてね、まぁなんつうーか、香川のモデラーのことが超羨ましく思える模型店だったと言っておこう。

本州の人間が行くには瀬戸大橋や明石海峡大橋等という通行料の高い関所を通らねばならんので行くメリットは無くなるんだけど、通販レベルの割引と店の先行きを心配するレベルのナイスな在庫群だった。

ベースが出来たのでガンス本体の作成に戻るんですが、残雪時期に変わったので当初予定していた冬期迷彩はヤメ。

 基本塗装の上にデカール貼るとこだけクリアー吹いて軽く段差均ししてからフラットクリアー。

んで、アクリルガッシュのセピアとローアンバーを使って、スポンジチッピングを併用して、各部に塗装剥がれと錆のベースを描き込んで起きます。んでもっかいフラットクリアー。

そこから油彩でフィルタリングを施したんだけど、実はオッサン「フィルタリング」ってのが正確にはどんな作業を指してるのかイマイチ判ってないw

今回の場合だと、グリーンの部分には迷彩模様の中心線辺りを中心に明るめの色を擦り込み、グレーの部分にはグリーンとの境界に近くなるほど暗くなるよう暗色を擦り込み、水垢的な汚れの流れ方を意識しつつ、色んな色でノペーっと無表情な基本色に表情を加えていく感じ。

その後全体をフラットクリアーで押さえてから、今度は前回SAFSでも使ったエナメルの謎グレーを全体に上方向から雨が降るような感じを意識してドバーッと吹いて、地面に対して水平な上面は埃溜まりを意識しつつ多めに残し、垂直面は重力方向に流す感じで綿棒や筆で埃グレーを拭き取ってから、またもフラットクリアー吹いて、今度は泥・水垢・砂埃・オイル・錆を意識してセピア・バーントアンバー・ローアンバー・イエローオーカー、ローシェンナ、バーントシェンナ辺りをチョンと一粒乗せてはターペンタインで伸ばしてからペトロールで暈かすってのを繰り返す。

概ね一通り筆入れが終わると↑こんな感じ。引き出しに、何時買ったかワカランのだけど、色んな動物の漢字がアソートされたデカール、それもアスデカなる変わったのが転がってたので、そこから「蛙」の一文字をセレクトして、前後2箇所に貼ってます。

 知ってます?アスデカ。夜貼って、一晩乾かして明日の朝に表装のフィルムを剥がせば完成なので明日のデカールで「アスデカ」w普通のデカールと同様に水に浸けて貼るんだけど、貼ってから数時間完全乾燥させるとね、デカール表面のフィルム層だけがペロンと剥げちゃう。F1のミュージアム○レクションのデカールがこんな感じではあったけど、アレの何倍も貼り易いし、インレタみたいに綺麗に貼れる。構造上シルバリングも殆ど出ないので、この手の艶消し系塗装には相性がイイ。

こっから又更にウェザリングを加えてみました。デカい筐体なので、汚れは主に脚部に集中。

↑この足の部分だと、先ず塗装面をスチールウールでガシガシと、下地色が顔出すくらい磨いてスクラッチだらけにしてから、茶系のパステルをアクリル溶剤で溶かして適当に塗りつけ、更に溶剤が乾かないうちにパステルの粉を花咲かじいさんみたいに撒き散らかしてたら大体こんな感じになる(適当。

 更にクレオスのウェザリングカラーを塗ってみたり、スタッパリング(薄めた塗料を筆に含ませて弾き飛ばす)してみたり、思い付くまま適当にしてます。

適当だからこそ自然な感じになると思うよ。コレほんと。

後は、完成した本体をベースに固定して、電飾用の配線をベース裏で施しつつ、ベースと馴染ませるためのウェザリングを少々追加して完成です。

100均のセリアで買ったチェーンを背中に追加して1ポイントのアクセントに。

フェンスには、ネットで見つけたコーションマークのイラストに、ドイツ語で進入禁止の注意書きを描き込んで、市販のシルバーラベルシートに印刷し、それをアルミ板(空き缶伸ばしたモノ)に貼ってからフラットクリアーでコーティングしてウェザリングしたモノを貼り付けてみた。

一番時間が掛かった足下もイイ感じにでけた!

っつーことで、陸戦ガンス製作でした。コレ作った当時は、丁度コロナの影響の初期の頃で自粛自粛で仕事も大穴空いてて超暇だった事も有り、カウツ・SAFS・陸戦ガンス・グローサーフントとマシーネンばっかりで丁度1ヵ月くらい楽しんだんですが、1か月でこの数は自分にしては超ハイペースでしたね。

 塗装の完全乾燥待ちという不毛な時間が無い分、常に作業するので進めやすいですな。車は、塗装の乾燥時間とか接着剤の完全硬化待ちとか、何もしない(してはいけない)時間が多いんですよね。

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